神経ブロックにはたくさんの種類がありますが、神経またはその側に注射をして、神経の働きを一時的、あるいは永久的に休ませて病気を治す治療法です。

そのうち当院では、局所麻酔薬を使用し、一時的に神経を休ませることで、自己治癒力を高める神経ブロック療法を中心に診療をしています。副作用を伴うステロイド剤は、なるべく使用しないよう にしています。
「痛み」が発生すると、自律神経のひとつ「交感神経」が緊張していまい、毛細血管は収縮して血行が悪くなってきます。ところがこれは痛みを治すためには困ったことで、血行を良くしないと痛み物質が滞り、炎症は治りにくく、痛みはどんどん強くなってしまいます。そして、自律神経失調症を招いてしまう原因ともなります。

神経ブロック療法には、血行を良くする働きがありますので、この痛みの悪循環を断ち切ることができ、治癒を促進するのです。
当院では、「星状神経節ブロック」と「腰部硬膜外ブロック療法」を中心に治療しています。


神経ブロックが適さない人

・神経ブロックを受けたくない人
・ワーファリンやパナルジン、プラビックスなどの
 血を止めにくくする薬を内服している人
・出血傾向のある人
・糖尿病や高血圧がコントロールされていない人
・発熱などで感染が疑われる人
以上の方は、神経ブロックにより出血や感染などの不利益をこうむることがありますので神経ブロックはおこないません。

星状神経節ブロック療法

 ペインクリニックで、最も多く行われている神経ブロックです。
のどにある交感神経を一時的にゆるめ、ヒトが本来持っている自己治癒力を高める治療法です。
自律神経、ホルモン分泌、免疫力(抵抗力)のバランスを整えますので色々な症状や病気に有効です。
(リンク:星状神経節ブロック療法の適応)

のどには星状神経節といって、脳・顔面・頭部・頚部・上肢・心臓・肺などに交感神経の細い線維を送っている(支配する、といいます)交感神経の「中継所」のようなところがあります。
この星状神経節の側に局所麻酔薬を注射し、交感神経の働きを一時的にブロックするのが「星状神経ブロック療法」です。
この療法をすると、局所麻酔薬が効いている間、脳をはじめとする支配領域の血行がよくなり、機能低下していたさまざまな器官が機能回復するのを助けます。そのため、痛みや様々な症状が楽になってくるのです。

星状神経節ブロック療法の特徴は、繰り返していくと、脳の視床下部の機能が改善され、自律神経、ホルモン分泌、免疫力(抵抗力)のバランスが整い、自己治癒力が高まってくることにあります。
そしてその改善した自己治癒力により、体中のさまざまな病気が治っていくといわれています。
たとえば、ストレスにより自律神経のバランスが崩れると、さまざまな病気が引き起こされることは、よく知られています。胃・十二指腸潰瘍、高血圧症、気管支喘息、不眠症、うつ状態、過敏性腸症候群などが有名です。星状神経節ブロック療法は自律神経のバランスを整えますから、このような痛み以外のストレスによる病気にも効果が出てくるのです。

ですから、頭痛を治そうと治療を開始したところ、胃腸虚弱、冷え性、易疲労、腰痛、花粉症、耳鳴り、便秘、魚の目など目的以外の症状がたくさん改善したということはしばしばあり、たいへん喜ばれています。
また、副作用がないことも「星状神経節ブロック療法」の特徴です。老若男女を問わず、妊娠中の女性でも、ほとんどの方が治療を受けることができます。

ただ時々、ブロック注射のあと、声がかすれる、ものを飲みこみづらい、注射した部位が痛い、腕があがらない、といった症状がみられることがあります。
これらは、一時的なものですから心配はいりません。だいたい1〜3時間で、もとに戻ります。のどにはいろいろな神経があるため、少しだけ局所麻酔薬が流れていくことによって起こります。

腰部硬膜外ブロック療法

ペインクリニックの腰痛治療で、もっとも多く行われているのが「腰部硬膜外ブロック療法」です。


「腰部硬膜外ブロック療法」というのは、腰椎(せぼね)の中の硬膜外腔という所に局所麻酔薬を注入し、痛みを一時的に和らげ、腰部と下肢の血行を改善し 自己治癒力を高める療法です。
神経を包んでいる一番外側の膜(硬膜)より外側のスペースに注射をする神経ブロックで、神経に直接針を刺したりしませんから、痛みもほとんどありません。

なお、この「神経ブロック療法」は、麻酔の効果が強く現れたときに、力が入りにくくなることがあります。このような状態は、しばらく安静にしているともとに戻りますので、心配はいりません。また痛みは、局所麻酔をするときに、チクッと感じる以外はほとんどありませんので、ご安心下さい。